2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(公認会計士等による期中レビューの完了)
株式会社SCREENホールディングス (7735)
決算評価: 悪い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
株式会社SCREENホールディングスの2026年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益の全てにおいて前年同期比で減少しました。世界経済の緩やかな回復が見られるものの、一部地域での足踏みや先行き不透明な状況が、特に主力である半導体製造装置事業の売上減少に繋がりました。グラフィックアーツ機器事業は微増収でしたが、利益は減少しました。一方で、ディスプレー製造装置および成膜装置事業は大幅な増収増益を達成し、一部セグメントでの成長も見られました。全体としては、減収減益という厳しい結果となりました。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 425,352 | △7.5% |
| 営業利益 | 77,439 | △23.0% |
| 経常利益 | 78,846 | △23.0% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 54,946 | △21.0% |
| 1株当たり当期純利益(円銭) | 581.27 | - |
| 配当金(2025年3月期合計) | 308.00 | - |
| 配当金(2026年3月期予想合計) | 280.00 | - |
業績結果に対するコメント: 当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比7.5%減少しました。これは主に、半導体製造装置事業(SPE)において、ロジック向けおよびファウンドリー向けの装置売上が減少し、地域別でも中国や米国向けの売上が減少したことが要因です。固定費の増加も利益を圧迫しました。グラフィックアーツ機器事業(GA)は、インクを中心としたリカーリングビジネスの売上増加により微増収となりましたが、固定費増加や米国関税の影響で営業利益は大幅に減少しました。一方、ディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT)は、OLED向け装置売上の増加により大幅な増収増益を達成しました。プリント基板関連機器事業(PE)は装置売上の減少により減収となり、営業利益は営業損失に転じました。利益面では、売上減少に加え、販売費及び一般管理費の増加(前年同期比12.7%増)が営業利益の減少に大きく寄与しています。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |----------------------|----------------|-------------| | 流動資産 | 474,870 | △1.1% | | 現金及び預金 | 134,252 | △4.4% | | 受取手形及び売掛金 | 97,018 | +6.8% | | 棚卸資産 | 171,375 | +4.0% | | その他 | 17,256 | +10.0% | | 固定資産 | 202,211 | +5.7% | | 有形固定資産 | 114,767 | +1.6% | | 無形固定資産 | 12,558 | +76.7% | | 投資その他の資産 | 74,884 | +5.2% | | 資産合計 | 677,081 | +0.9% |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |----------------------|----------------|-------------| | 流動負債 | 220,545 | △8.0% | | 支払手形及び買掛金 | 41,273 | △11.3% | | 短期借入金 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 32,314 | △6.8% | | 固定負債 | 13,281 | +22.2% | | 長期借入金 | 405 | △46.6% | | その他 | 4,512 | +63.9% | | 負債合計 | 233,827 | -6.7% |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |----------------------|----------------|-------------| | 株主資本 | 409,596 | +3.8% | | 資本金 | 54,044 | 0.0% | | 利益剰余金 | 362,350 | +4.4% | | その他の包括利益累計額 | 33,536 | +28.1% | | 純資産合計 | 443,254 | +5.4% | | 負債純資産合計 | 677,081 | +0.9% |
貸借対照表に対するコメント: 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末比で0.9%増加し、6,770億8千1百万円となりました。流動資産では、現金及び預金が減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産、棚卸資産が増加しました。固定資産では、無形固定資産が大幅に増加しています。負債合計は、前連結会計年度末比で6.7%減少し、2,338億2千7百万円となりました。流動負債では、支払手形及び買掛金、未払法人税等などが減少し、契約負債が増加しました。固定負債は増加しています。純資産合計は、5.4%増加し、4,432億5千4百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加が主な要因です。自己株式の取得や消却も行われています。自己資本比率は65.4%と、健全な水準を維持しています。流動比率や当座比率などの短期的な支払い能力を示す指標は、詳細なデータがないため分析できませんが、負債の減少と純資産の増加により、財務の安定性は向上していると考えられます。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | 売上高比率(%) |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 425,352 | △7.5% | 100.0% |
| 売上原価 | 265,742 | △10.7% | 62.5% |
| 売上総利益 | 159,609 | △2.3% | 37.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 82,169 | +12.7% | 19.3% |
| 営業利益 | 77,439 | △23.0% | 18.2% |
| 営業外収益 | 3,653 | +13.2% | 0.9% |
| 営業外費用 | 2,245 | +49.3% | 0.5% |
| 経常利益 | 78,846 | △23.0% | 18.5% |
| 特別利益 | 2,156 | - | 0.5% |
| 特別損失 | 1 | - | 0.0% |
| 税金等調整前四半期純利益 | 81,001 | △20.8% | 19.0% |
| 法人税等 | 26,042 | △20.7% | 6.1% |
| 当期純利益 | 54,958 | △21.0% | 12.9% |
損益計算書に対するコメント: 当第3四半期連結累計期間の損益計算書を見ると、売上高は前年同期比で7.5%減少しましたが、売上原価の減少率がそれを上回ったため、売上総利益は2.3%の減少に留まりました。しかし、販売費及び一般管理費が12.7%と大幅に増加したことが、営業利益の23.0%減少に大きく影響しています。営業外収益は増加しましたが、営業外費用も増加しており、経常利益も営業利益と同様に23.0%減少しました。特別利益として投資有価証券売却益が計上されたものの、税金等調整前四半期純利益は20.8%減少しました。最終的な親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の減少もあり、21.0%の減少となりました。売上高営業利益率は18.2%(前期は21.9%)と低下しており、収益性の悪化が見られます。
5. キャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュフロー: 405億1千万円の収入(前年同期は444億2千5百万円の収入)
- 投資活動によるキャッシュフロー: 174億4千7百万円の支出(前年同期は173億6千7百万円の支出)
- 財務活動によるキャッシュフロー: 419億6千2百万円の支出(前年同期は267億4千4百万円の支出)
- フリーキャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフロー - 投資活動によるキャッシュフロー = 405.1億円 - 174.5億円 = 230.6億円(収入)
キャッシュフローに対するコメント: 営業活動によるキャッシュフローは、前年同期比で若干減少しましたが、依然としてプラスを維持しており、本業でのキャッシュ創出能力は健在です。投資活動によるキャッシュフローは、研究開発設備等への投資が継続しており、前年並みの支出となっています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いと自己株式の取得により大幅な支出となっています。フリーキャッシュフローはプラスであり、企業活動に必要な投資を行った後でも、資金的な余裕があることを示唆しています。
6. 今後の展望
2026年3月期の連結業績予想は、2025年10月31日に公表された数値から変更ありません。通期予想では、売上高6,210億円(前期比0.7%減)、営業利益1,170億円(前期比13.8%減)、経常利益1,170億円(前期比15.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益880億円(前期比11.5%減)を見込んでいます。 半導体業界では、生成AIの活用拡大やDXの進展を支える半導体の微細化、チップレット化を含む先端パッケージングなどの省エネ高速半導体開発の重要性が高まっており、再び投資が加速される見通しです。FPD業界でも、ディスプレイ需要が持ち直し、パネルメーカーの設備投資意欲に回復が見られます。これらの市場環境の変化を捉え、事業展開を進めていくことが期待されます。 一方で、米国の通商政策の影響など、依然として先行き不透明な状況も存在するため、リスク管理も重要となります。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績:
- 半導体製造装置事業(SPE):売上高 3,386億6千9百万円(前年同期比11.8%減)、営業利益 783億4千7百万円(前年同期比22.4%減)
- グラフィックアーツ機器事業(GA):売上高 395億1千5百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益 19億3千7百万円(前年同期比41.0%減)
- ディスプレー製造装置および成膜装置事業(FT):売上高 358億6千9百万円(前年同期比44.5%増)、営業利益 73億1千5百万円(前年同期比436.5%増)
- プリント基板関連機器事業(PE):売上高 89億2千3百万円(前年同期比7.3%減)、営業損失 5億2千7百万円(前年同期は営業利益5億6千9百万円)
- 配当方針: 2025年3月期は年間308円、2026年3月期は予想年間280円となっています。
- 株主還元施策: 配当金の支払いを実施しています。
- M&Aや大型投資: 詳細な記載はありませんが、投資活動によるキャッシュフローにおいて有形固定資産の取得などが行われています。
- 人員・組織変更: 詳細な記載はありません。