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更新: 2026-04-03 09:15:42
決算 2026-02-12T15:30

2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

扶桑薬品工業株式会社 (4538)

決算評価: 悪い

主要業績指標

AI財務分析レポート

1. 総評

扶桑薬品工業株式会社の2026年3月期第3四半期累計期間の業績は、売上高は増加したものの、利益面では大幅な減少となりました。原材料費や人件費の高騰、研究開発費の増加が利益を圧迫したことが主な要因です。また、訴訟関連の引当金計上により、財政状態も前期と比較して悪化しています。通期業績予想に変更はありませんが、収益性の低下が今後の課題となるでしょう。

2. 業績結果

科目 金額(百万円) 前期比(%)
売上高(営業収益) 48,265 +3.4
営業利益 2,367 △34.8
経常利益 2,216 △33.7
当期純利益 1,684 △29.9
1株当たり当期純利益(EPS) 197.24円 △29.9
配当金(中間配当) 45.00円 記載なし(前期は40.00円)

業績結果に対するコメント: 売上高は、腎・透析関連の後発医薬品の販売促進等により、前期比3.4%増加しました。しかし、利益面では、原材料費や人件費の上昇に伴う売上原価率の想定以上の上昇、DMX-200に関する研究開発活動の進捗に伴う研究開発費の増加が響き、営業利益、経常利益、当期純利益ともに大幅な減少となりました。特に営業利益は前期比34.8%減と大きく落ち込んでいます。1株当たり当期純利益も同様に減少しています。配当については、中間配当は45.00円と前期の40.00円から増加していますが、これは通期予想に基づくものと考えられます。

3. 貸借対照表(バランスシート)

【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 流動資産 | 56,635 | +8,293 | | 現金及び預金 | 6,880 | +616 | | 受取手形及び売掛金 | 25,097 | △1,394 | | 棚卸資産 | 14,627 | △491 | | その他 | 10,031 | +9,562 | | 仮払金 | 8,744 | 記載なし(新規計上) | | 固定資産 | 32,813 | △573 | | 有形固定資産 | 22,343 | △768 | | 無形固定資産 | 1,394 | △120 | | 投資その他の資産 | 9,075 | +315 | | 資産合計 | 89,449 | +7,720 |

【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 流動負債 | 50,976 | +6,845 | | 支払手形及び買掛金 | 4,269 | +271 | | 短期借入金 | 27,618 | +8,791 | | その他 | 18,888 | △2,217 | | 訴訟関連損失引当金 | 8,744 | 記載なし(新規計上) | | 固定負債 | 3,817 | △737 | | 長期借入金 | 2,103 | △359 | | その他 | 1,714 | △378 | | 負債合計 | 54,793 | +6,107 |

【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 株主資本 | 36,667 | +939 | | 資本金 | 10,758 | 0 | | 利益剰余金 | 13,553 | +941 | | その他の包括利益累計額 | △2,012 | +673 | | その他有価証券評価差額金 | 2,662 | +712 | | 土地再評価差額金 | △4,674 | △39 | | 純資産合計 | 34,655 | +1,612 | | 負債純資産合計 | 89,449 | +7,720 |

貸借対照表に対するコメント: 総資産は前期末比9.4%増加し894億49百万円となりました。これは、訴訟による仮払金87億44百万円の支払いが影響しています。負債合計も同12.5%増加し547億93百万円となり、特に短期借入金が87億91百万円増加しています。これは、訴訟判決に伴う支払いへの対応として、株式会社三井住友銀行と特殊当座借越契約を締結したことなどが影響していると考えられます。純資産は同4.9%増加し346億55百万円となりましたが、自己資本比率は38.7%と前期の40.4%から低下しており、財務の安全性がやや低下しています。流動資産の増加は仮払金によるもので、流動負債の増加は短期借入金や訴訟関連損失引当金が主な要因です。

4. 損益計算書

科目 金額(百万円) 前期比(%) 売上高比率
売上高(営業収益) 48,265 +3.4% 100.0%
売上原価 35,742 +4.5% 74.1%
売上総利益 12,522 △1.0% 25.9%
販売費及び一般管理費 10,154 +12.6% 21.0%
営業利益 2,367 △34.8% 4.9%
営業外収益 260 +19.6% 0.5%
営業外費用 412 △19.4% 0.9%
経常利益 2,216 △33.7% 4.6%
特別利益 118 記載なし(前期は0) 0.2%
特別損失 28 +300.0% 0.1%
税引前当期純利益 2,306 △30.8% 4.8%
法人税等 621 △33.3% 1.3%
当期純利益 1,684 △29.9% 3.5%

損益計算書に対するコメント: 売上高は増加したものの、売上原価が売上高以上に増加したため、売上総利益は前期比1.0%減少しました。特に売上原価率は74.1%と前期の72.5%から上昇しており、原材料費や人件費の高騰の影響が顕著です。販売費及び一般管理費も前期比12.6%増加しており、研究開発費の増加などが要因と考えられます。これらの結果、営業利益は前期比34.8%減と大幅に減少しました。営業外収益は増加しましたが、営業外費用も増加しており、経常利益も同様に減少しています。特別利益として投資有価証券売却益が118百万円計上されましたが、特別損失も増加しており、税引前当期純利益、当期純利益ともに大幅な減少となりました。売上高営業利益率は4.9%と、前期の8.2%から大きく低下しています。

5. キャッシュフロー(記載があれば)

当第3四半期累計期間に係る四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。 ただし、減価償却費は以下の通りです。 - 前第3四半期累計期間: 1,752百万円 - 当第3四半期累計期間: 1,964百万円

6. 今後の展望

2026年3月期の通期業績予想は、売上高615億円(前期比1.5%増)、営業利益34億円(前期比17.7%減)、経常利益33億円(前期比12.7%減)、当期純利益23億円(前期比増減なし)と発表されています。現時点では業績予想の修正はありません。 しかし、第3四半期累計期間の業績を見ると、利益面での大幅な減少が続いており、通期予想の達成には、下期での収益改善が不可欠となります。 医薬品業界全体として、薬価制度改革や後発医薬品の使用促進など、収益環境の厳しさが増している状況下で、同社は主力製品の販売促進や後発医薬品の販売に注力していく方針です。 訴訟関連の支払いへの対応や、原材料費・人件費の高騰といったコスト増への対応が、今後の重要な経営課題となります。

7. その他の重要事項

  • 訴訟関連: 東レ株式会社との特許権侵害差止等請求訴訟において、知的財産高等裁判所は同社の請求を一部認容し、扶桑薬品工業に対し、合計74億7,287万8,838円及び遅延損害金の支払いを命じる判決が下されました。これに伴い、訴訟関連損失引当金繰入額87億44百万円を前期の特別損失として計上しています。同社は最高裁判所に上告及び上告受理の申立てを行っています。
  • 棚卸資産の評価方法の変更: 第1四半期会計期間より、棚卸資産の評価方法を総平均法に変更しました。これはERP導入に伴い、調達価格変動による評価及び期間損益計算をより迅速かつ適正に行うためであり、影響額は軽微とのことです。
  • セグメント情報: 医薬品事業の他に不動産の賃貸を営んでいますが、重要性が乏しいためセグメント情報の記載は省略されています。
  • 配当: 2026年3月期の年間配当予想は90.00円(中間45.00円、期末45.00円)となっています。

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