2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
テルモ株式会社 (4543)
決算評価: 非常に良い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
テルモ株式会社は、2026年3月期第3四半期連結累計期間において、堅調な業績を達成しました。売上収益は前年同期比7.7%増の8,316億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同11.1%増の1,095億円と、両指標ともに大幅な増加を示しました。これは、グローバルでの医療需要の拡大に加え、主要事業セグメントである心臓血管カンパニーや血液・細胞テクノロジーカンパニーの力強い成長が牽引した結果です。また、M&Aによる事業拡大も進んでおり、今後の成長に期待が持てます。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 売上収益(営業収益) | 831,557 | 7.7 |
| 営業利益 | 144,867 | 8.5 |
| 税引前四半期利益 | 146,587 | 11.2 |
| 四半期利益 | 109,547 | 11.1 |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 109,547 | 11.1 |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 74.27 円 | 11.1 |
| 配当金(年間予想) | 30.00 円 | 記載なし |
業績結果に対するコメント: 売上収益の増加は、グローバルでの医療需要拡大と、特にインターベンショナルシステムズ事業や血漿イノベーションビジネスの好調が主な要因です。地域別では、米州が11.1%増、欧州が10.0%増と、海外事業が全体を牽引しました。利益面では、売上収益の増加に伴い売上総利益が増加し、営業利益、税引前四半期利益、四半期利益ともに増加しました。特に、調整後営業利益は前年同期比8.9%増と、事業運営の効率化が進んでいることが伺えます。2025年10月にOrganOx社を子会社化したことも、将来的な収益拡大に寄与すると考えられます。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|----------------|------------| | 流動資産 | 815,555 | 12.7 | | 現金及び預金 | 237,998 | 7.2 | | 受取手形及び売掛金 | 213,502 | 20.7 | | 棚卸資産 | 337,514 | 14.3 | | その他 | 26,541 | △8.0 | | 固定資産 | 1,441,381 | 30.4 | | 有形固定資産 | 494,245 | 14.7 | | 無形固定資産 | 800,499 | 46.8 | | 投資その他の資産 | 141,637 | 13.7 | | 資産合計 | 2,256,937 | 23.4 |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|----------------|------------| | 流動負債 | 539,701 | 123.5 | | 支払手形及び買掛金 | 97,486 | 7.1 | | 短期借入金 | 299,833 | 1899.5 | | その他 | 142,382 | 38.1 | | 固定負債 | 194,907 | △10.9 | | 長期借入金 | 99,897 | △37.5 | | その他 | 95,010 | 53.3 | | 負債合計 | 734,609 | 59.8 |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|----------------|------------| | 株主資本 | 1,150,219 | 11.2 | | 資本金 | 38,716 | 0.0 | | 利益剰余金 | 1,084,391 | 6.7 | | その他の包括利益累計額 | 362,108 | 30.8 | | 純資産合計 | 1,522,327 | 11.2 | | 負債純資産合計 | 2,256,937 | 23.4 |
貸借対照表に対するコメント: 自己資本比率は67.5%と健全な水準を維持しています。流動資産は増加しており、特に受取手形及び売掛金、棚卸資産の増加が目立ちます。固定資産では、OrganOx社の買収等により、のれん及び無形資産が大幅に増加しました。負債合計も増加していますが、これはOrganOx社の買収に伴う借入金が主な要因です。純資産も増加しており、利益剰余金の積み増しやその他の包括利益の増加が寄与しています。全体として、積極的な投資と事業拡大を進めている状況が伺えます。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | 売上高比率 (%) |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 831,557 | 7.7 | 100.0% |
| 売上原価 | 385,901 | 10.2 | 46.4% |
| 売上総利益 | 445,656 | 5.6 | 53.6% |
| 販売費及び一般管理費 | 295,124 | 5.0 | 35.5% |
| 営業利益 | 144,867 | 8.5 | 17.4% |
| 営業外収益 | 6,713 | 記載なし | 0.8% |
| 営業外費用 | 5,583 | 記載なし | 0.7% |
| 経常利益 | 146,587 | 11.2 | 17.6% |
| 特別利益 | 記載なし | 記載なし | 0.0% |
| 特別損失 | 記載なし | 記載なし | 0.0% |
| 税引前当期純利益 | 146,587 | 11.2 | 17.6% |
| 法人税等 | 37,040 | 11.6 | 4.5% |
| 当期純利益 | 109,547 | 11.1 | 13.2% |
損益計算書に対するコメント: 売上高営業利益率は17.4%と、前期比で微増しており、収益性が維持されています。売上原価率が前期比で上昇しているものの、販売費及び一般管理費の増加率がそれを上回らなかったため、営業利益は増加しました。経常利益は、営業外収益の増加(金融収益の増加)により、税引前当期純利益の伸び率を上回りました。当期純利益は、法人税等の増加を吸収し、増益を維持しています。ROE(自己資本利益率)は、純資産の増加率と比較して利益の増加率が高いため、改善が見込まれます。
5. キャッシュフロー
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 141,937 | △1.6 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | △315,745 | 526.7 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 177,633 | 193.4 |
| フリーキャッシュフロー | △173,808 | 記載なし |
キャッシュフローに対するコメント: 営業活動によるキャッシュフローは微減しましたが、依然として潤沢なキャッシュを生み出しています。投資活動によるキャッシュフローは、OrganOx社の買収や設備投資の増加により大幅なマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュフローは、借入金の増加により大幅なプラスとなりました。フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、これは積極的な投資活動によるものです。
6. 今後の展望
テルモ株式会社は、2026年3月期の通期連結業績予想として、売上収益1兆1,080億円(前期比6.9%増)、調整後営業利益2,215億円(前期比8.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益1,360億円(前期比16.3%増)を見込んでいます。これは、医療機器・医薬品業界の環境変化や為替レートの動向を踏まえつつも、高付加価値製品の開発・販売拡大、継続的な原価改善、販売費及び一般管理費の効果的な運用に注力することで達成を目指すとしています。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績: 心臓血管カンパニーが7.0%増、血液・細胞テクノロジーカンパニーが13.8%増と、特にこれらのセグメントの成長が顕著です。メディカルケアソリューションズカンパニーも2.2%増と堅調でした。
- 配当方針: 2026年3月期の年間配当予想は30.00円となっており、前期の26.00円から増配となっています。
- M&A: 2025年10月にOrganOx社を子会社化し、事業領域の拡大を図っています。
- 為替レート: 通期業績予想の前提為替レートは、1ドル=148円、1ユーロ=169円となっています。