2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
株式会社INPEX (1605)
決算評価: 悪い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
株式会社INPEXの2025年12月期連結決算は、国際原油価格の低迷と円高の進行により、売上収益、各利益段階ともに前期から減少しました。特に、原油および天然ガスの販売価格の下落が収益を圧迫し、増収要因であった販売数量の増加を相殺する形となりました。貸借対照表では、資産合計が増加した一方で、負債合計も増加し、自己資本比率は低下しました。キャッシュフローにおいては、営業活動によるキャッシュフローは増加したものの、投資活動によるキャッシュフローの支出が大幅に増加し、現金及び現金同等物の期末残高は減少しました。来期は、引き続き油価安と探鉱費の増加を見込み、減収減益を予想しています。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 2,011,351 | △11.2 |
| 営業利益 | 1,135,440 | △10.7 |
| 経常利益 | 記載なし | 記載なし |
| 税引前当期純利益 | 1,173,473 | △9.7 |
| 親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 393,836 | △7.8 |
| 当期純利益(連結包括利益合計額) | 166,199 | △81.1 |
| 1株当たり当期純利益(基本的) | 330.82 円 | △1.1 |
| 1株当たり当期純利益(希薄化後) | 330.56 円 | △1.1 |
| 配当金(年間合計) | 100.00 円 | 16.3 |
業績結果に対するコメント: 当期は、国際原油価格の平均販売価格が前期比12.9%下落したこと、および平均為替レートが前期比1.4%の円高となったことが、売上収益減少の主な要因です。売上収益の減少額2,544億円のうち、販売数量の増加による増収効果は365億円にとどまり、平均単価の下落による減収が2,693億円、円高による減収が260億円を占めました。 営業利益は、売上収益の減少に加え、持分法による投資利益の減少(前期比31.2%減)や、イクシスLNGプロジェクトにおける資本金の有償減資に伴う在外営業活動体の換算差額の累計額を純損益に振り替えた影響(347億円)などにより、前期比10.7%減となりました。 親会社の所有者に帰属する当期純利益は、税引前利益の減少に加え、非支配持分に帰属する当期利益の増加(前期比419.3%増)の影響もあり、前期比7.8%減となりました。 1株当たり当期純利益は、親会社の所有者に帰属する当期純利益の減少率よりも小幅な減少にとどまりました。 配当金は、1株当たり年間100円となり、前期の86円から増加しました。これは、株主還元方針に基づき、安定的な還元を目指す姿勢を示しています。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |----------------------|---------------|--------| | 流動資産 | 1,109,000 | 2,388増 | | 現金及び預金 | 168,407 | 73,268減 | | 受取手形及び売掛金 | 記載なし | 記載なし | | 棚卸資産 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 記載なし | 記載なし | | 固定資産 | 6,626,100 | 1,154増 | | 有形固定資産 | 記載なし | 記載なし | | 無形固定資産 | 記載なし | 記載なし | | 投資その他の資産 | 記載なし | 記載なし | | 資産合計 | 7,735,198 | 3,543増 |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------------------|---------------|--------| | 流動負債 | 839,600 | 3,060増 | | 支払手形及び買掛金 | 記載なし | 記載なし | | 短期借入金 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 記載なし | 記載なし | | 固定負債 | 1,872,600 | 1,632増 | | 長期借入金 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 記載なし | 記載なし | | 負債合計 | 2,712,200 | 4,692増 |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------------------------------------|---------------|--------| | 株主資本 | 記載なし | 記載なし | | 資本金 | 記載なし | 記載なし | | 利益剰余金 | 記載なし | 記載なし | | その他の包括利益累計額 | 記載なし | 記載なし | | 純資産合計 | 5,022,903 | 1,149減 | | 負債純資産合計 | 7,735,198 | 3,543増 |
貸借対照表に対するコメント: 当期末の資産合計は7兆7,351億円となり、前期末比で3,543億円増加しました。流動資産は2,388億円増加し、主にその他の金融資産の増加によるものです。固定資産も1,154億円増加し、持分法で会計処理されている投資の増加が主な要因です。 一方、負債合計は4,692億円増加し、2兆7,122億円となりました。流動負債が3,060億円、固定負債が1,632億円それぞれ増加しています。 純資産合計は1,149億円減少し、5兆229億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分が746億円減少し、非支配持分も402億円減少しました。 結果として、自己資本比率は前期の65.3%から61.4%へと低下しました。これは、負債の増加が純資産の減少を上回ったためです。安全性指標としては、依然として高い水準を維持していますが、低下傾向が見られます。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | 売上高比率 (%) |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 2,011,351 | △11.2 | 100.0% |
| 売上原価 | 864,500 | △5.5 | 42.97% |
| 売上総利益 | 1,146,851 | △14.5 | 57.03% |
| 販売費及び一般管理費 | 118,000 | △12.3 | 5.87% |
| 営業利益 | 1,135,440 | △10.7 | 56.45% |
| 営業外収益 | 120,100 | △19.6 | 5.97% |
| 営業外費用 | 82,100 | △32.9 | 4.08% |
| 経常利益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 特別利益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 特別損失 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 税引前当期純利益 | 1,173,473 | △9.7 | 58.34% |
| 法人税等 | 743,800 | △14.0 | 36.98% |
| 当期純利益 | 429,638 | △1.1 | 21.36% |
| 親会社の所有者に帰属する当期純利益 | 393,836 | △7.8 | 19.58% |
損益計算書に対するコメント: 売上総利益率は前期の60.8%から57.0%へと低下しました。これは、売上原価の減少率が売上収益の減少率を下回ったためです。 営業利益率は前期の56.1%から56.5%へと微増しました。これは、売上原価の減少が販売費及び一般管理費の減少よりも大きかったためと考えられます。 営業外収益は前期比19.6%減、営業外費用は前期比32.9%減となりました。 当期純利益は前期比1.1%減となりましたが、親会社の所有者に帰属する当期純利益は前期比7.8%減となりました。これは、非支配持分に帰属する当期利益が前期比419.3%増となった影響が大きいです。 ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は、前期の9.5%から8.2%へと低下しました。
5. キャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュ・フロー: 693,893 百万円 (前期比 391億円増)
- 投資活動によるキャッシュ・フロー: △668,734 百万円 (前期比 3,783億円増)
- 財務活動によるキャッシュ・フロー: △110,730 百万円 (前期比 2,392億円減)
- フリーキャッシュフロー: 25,159 百万円 (営業CF - 投資CF)
キャッシュフローに対するコメント: 営業活動によるキャッシュフローは、税引前利益の減少があったものの、営業債権およびその他の債権の減少や法人所得税の支払額の減少などにより、前期比で増加しました。 投資活動によるキャッシュフローは、投資の取得による支出の増加や定期預金の払戻による収入の減少などにより、大幅な支出超過となりました。 財務活動によるキャッシュフローは、非支配持分への配当金の支払額の増加があったものの、コマーシャル・ペーパーの純増加額の増加や短期借入金の増加などにより、支出超過額は前期よりも減少しました。 フリーキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローの増加と投資活動によるキャッシュフローの大幅な支出超過により、前期から大幅に減少しました。
6. 今後の展望
株式会社INPEXは、2026年12月期の連結業績予想として、売上収益1兆8,930億円(前期比5.9%減)、営業利益9,570億円(前期比15.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,300億円(前期比16.2%減)を見込んでいます。これは、主にアジア地域における探鉱活動の増加に伴う探鉱費の増加や、油価安(ブレント原油通期平均63米ドル)を前提としているためです。 中期経営計画(2025-2027)では、「1株当たり年間90円を起点とする累進配当」に加え、「機動的な自己株式取得」により「総還元性向50%以上」を目指す方針です。2026年12月期の配当予想は、普通株式1株当たり年間108円となっています。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績:
- 国内石油・天然ガス事業: 売上収益は前期比11.4%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比64.3%増。
- 海外石油・天然ガス事業(イクシスプロジェクト): 売上収益は前期比15.6%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比9.1%増。
- 海外石油・天然ガス事業(その他のプロジェクト): 売上収益は前期比10.3%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比20.5%減。
- 配当方針: 1株当たり年間90円を起点とする累進配当に加え、機動的な自己株式取得により総還元性向50%以上を目指す。
- 株主還元施策: 2025年12月期は1株当たり年間100円の配当を予定。2026年12月期は1株当たり年間108円の配当を予想。
- M&Aや大型投資: 記載なし。
- 人員・組織変更: 記載なし。