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更新: 2026-02-12 16:05:00
決算 2026-02-12T16:05

2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)

株式会社網屋 (4258)

決算評価: 非常に良い

主要業績指標

AI財務分析レポート

1. 総評

株式会社網屋の2025年12月期連結決算は、サイバー攻撃の増加という事業環境の変化を追い風に、過去最高水準の業績を達成しました。売上高は前期比24.5%増の59億36百万円、営業利益は同99.8%増の10億51百万円と、大幅な増収増益となりました。これは、主力製品である「ALogシリーズ」や「NetworkAllCloudシリーズ」のサブスクリプション販売が堅調に推移したことに加え、ネットワークインテグレーション事業においても高利益帯の案件が増加し、収益性が改善したことが主な要因です。貸借対照表においても、売上増加に伴う現金及び預金、売掛金の増加が見られ、自己資本比率も向上しており、財務基盤の強化も確認できます。今後の見通しとしても、サイバー攻撃の脅威は継続すると予想されるため、引き続き堅調な業績が期待されます。

2. 業績結果

科目 金額(百万円) 前期比(%)
売上高(営業収益) 5,936 24.5
営業利益 1,051 99.8
経常利益 1,048 93.6
親会社株主に帰属する当期純利益 751 95.3
1株当たり当期純利益(EPS) 90.84円 95.3
配当金 15.73円 記載なし(前期は0円)

業績結果に対するコメント: 当期は、大手飲料メーカーや通販企業へのランサムウェア攻撃が相次いだことを受け、サイバーセキュリティ対策への需要が急速に高まりました。この事業環境の変化を捉え、株式会社網屋は主力製品である「ALogシリーズ」および「NetworkAllCloudシリーズ」のサブスクリプション販売が堅調に推移したことで、売上高は前期比24.5%増の59億36百万円となりました。 特に、データセキュリティ事業では「ALogシリーズ」がランサムウェア対策製品として、製造業や情報通信業を中心に売上を伸ばし、前期比29.5%増の24億80百万円となりました。ネットワークセキュリティ事業でも、「NetworkAllCloudシリーズ」のサブスクリプション売上が堅調に推移し、ネットワークインテグレーション事業においても、低粗利益率の案件が減少し、高利益帯の製品物販や役務案件が増加したことで収益性が改善し、売上高は前期比21.2%増の34億55百万円となりました。 これらの結果、売上総利益は前期比44.9%増の28億42百万円と大きく増加しました。販売費及び一般管理費も増加しましたが、売上高の伸びがそれを上回り、営業利益は前期比99.8%増の10億51百万円と大幅に増加しました。経常利益も同様に前期比93.6%増の10億48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比95.3%増の7億51百万円と、全ての利益段階で大幅な増加を達成しました。 1株当たり当期純利益も前期の46.69円から90.84円へと大幅に増加しました。配当金については、前期は0円でしたが、当期は15.73円の配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢が見られます。 特筆すべきは、売上高営業利益率が前期の11.0%から17.7%へと大幅に改善した点です。これは、サブスクリプションモデルの拡大や、収益性の高いサービスへのシフトが奏功したことを示唆しています。

3. 貸借対照表(バランスシート)

【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |------|---------------|------------| | 流動資産 | | | | 現金及び預金 | 4,561 | 27.5 | | 受取手形及び売掛金 | 673 | 62.5 | | 棚卸資産 | 491 | 13.7 | | その他 | 399 | 57.0 | | 流動資産合計 | 6,125 | 30.4 | | 固定資産 | | | | 有形固定資産 | 82 | △18.9 | | 無形固定資産 | 170 | 12.7 | | 投資その他の資産 | 562 | 20.7 | | 固定資産合計 | 814 | 13.4 | | 資産合計 | 6,940 | 28.2 |

【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |------|---------------|------------| | 流動負債 | | | | 支払手形及び買掛金 | 176 | 46.7 | | 短期借入金 | 700 | 0.0 | | 1年内返済予定の長期借入金 | 139 | △8.4 | | 未払金 | 162 | 179.5 | | 未払費用 | 174 | 31.7 | | 未払法人税等 | 219 | 66.5 | | 契約負債 | 2,059 | 38.2 | | 賞与引当金 | 88 | 129.9 | | その他の引当金 | 9 | 記載なし | | その他 | 104 | 17.5 | | 流動負債合計 | 3,900 | 31.7 | | 固定負債 | | | | 長期借入金 | 92 | △57.0 | | 退職給付に係る負債 | 70 | 15.3 | | その他の引当金 | 5 | 記載なし | | 固定負債合計 | 206 | △35.9 | | 負債合計 | 4,107 | 25.1 |

【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |------|---------------|------------| | 株主資本 | | | | 資本金 | 65 | 6.2 | | 資本剰余金 | 902 | 21.9 | | 利益剰余金 | 2,316 | 48.0 | | 自己株式 | △497 | 97.6 | | 株主資本合計 | 2,787 | 31.8 | | その他の包括利益累計額 | | | | その他有価証券評価差額金 | 41 | 151.3 | | その他の包括利益累計額合計 | 41 | 151.3 | | 非支配株主持分 | 4 | 記載なし | | 純資産合計 | 2,833 | 32.9 | | 負債純資産合計 | 6,940 | 28.2 |

貸借対照表に対するコメント: 当期末の総資産は69億40百万円となり、前期比28.2%増加しました。これは主に、売上増加に伴う現金及び預金の増加(前期比27.5%増)と、売掛金の増加(前期比62.5%増)によるものです。特に、契約負債が前期比38.2%増の20億59百万円と大きく増加しており、これはサブスクリプションモデルの拡大や、将来の収益が見込まれる案件の増加を示唆しています。 負債合計は41億7百万円となり、前期比25.1%増加しました。流動負債の増加が顕著で、特に契約負債の増加が目立ちます。一方で、固定負債は長期借入金の返済等により減少しています。 純資産合計は28億33百万円となり、前期比32.9%増加しました。利益剰余金が前期比48.0%増と大幅に増加したことが、純資産増加の主な要因です。自己株式の取得により自己株式のマイナス額が増加していますが、これは株主還元策の一環とも考えられます。 自己資本比率は40.8%となり、前期の39.4%から上昇しており、財務の健全性が向上しています。流動比率(流動資産÷流動負債)は約1.57倍、当座比率((流動資産-棚卸資産)÷流動負債)は約1.33倍となり、短期的な支払い能力も良好な水準を維持しています。 資産構成としては、流動資産の比率が高く、現金及び預金、売掛金、契約負債が大きな割合を占めています。これは、サービス提供型のビジネスモデルの特徴と言えます。

4. 損益計算書

科目 金額(百万円) 前期比(%) 売上高比率(%)
売上高(営業収益) 5,936 24.5 100.0%
売上原価 3,094 10.3 52.1%
売上総利益 2,842 44.9 47.9%
販売費及び一般管理費 1,790 24.7 30.2%
営業利益 1,051 99.8 17.7%
営業外収益 20 △14.5 0.3%
営業外費用 22 183.5 0.4%
経常利益 1,048 93.6 17.7%
特別利益 0 記載なし 0.0%
特別損失 21 7256.7 0.4%
税引前当期純利益 1,027 90.0 17.3%
法人税等 275 75.8 4.6%
当期純利益 751 95.3 12.7%

損益計算書に対するコメント: 当期の売上高は59億36百万円と、前期比24.5%増加しました。売上原価は30億94百万円と、売上高の伸び率を下回る増加率(10.3%増)に留まったため、売上総利益は28億42百万円と、前期比44.9%の大幅な増加となりました。売上総利益率は47.9%と、前期の41.2%から6.7ポイント改善しており、収益性の向上が顕著です。 販売費及び一般管理費は17億90百万円と、前期比24.7%増加しました。これは、事業拡大に伴う人件費や研究開発費の増加などが要因と考えられます。しかし、売上高の伸びがこれを上回ったため、営業利益は10億51百万円と、前期比99.8%の大幅な増加を達成しました。営業利益率は17.7%と、前期の11.0%から6.7ポイント改善しました。 営業外収益は20百万円、営業外費用は22百万円となり、差し引きではわずかな費用超過となりました。特別利益は499百万円計上されましたが、特別損失も21百万円計上されており、税引前当期純利益は10億27百万円となりました。 法人税等は2億75百万円となり、税引前当期純利益に対する実効税率は約26.8%です。 最終的な当期純利益は7億51百万円となり、前期比95.3%の大幅な増加となりました。当期純利益率は12.7%と、前期の8.1%から4.6ポイント改善しています。 ROE(自己資本利益率)は、当期純利益751百万円 ÷ 平均自己資本((2132百万円+2833百万円)/2)≒ 2482百万円 ≒ 30.3% となり、非常に高い収益性を示しています。

5. キャッシュフロー

科目 金額(百万円) 前期比(%)
営業活動によるキャッシュフロー 1,301 10.6
投資活動によるキャッシュフロー △85 △32.3
財務活動によるキャッシュフロー △233 △172.4
現金及び現金同等物の期末残高 4,549 27.5
フリーキャッシュフロー 1,215 記載なし(営業CF - 投資CF)

キャッシュフローに対するコメント: 営業活動によるキャッシュフローは13億1百万円と、前期比10.6%増加しました。これは、税金等調整前当期純利益の増加に加え、売上債権や棚卸資産の増加など、運転資金の増加があったものの、それを上回る利益の計上があったためです。 投資活動によるキャッシュフローは85百万円の支出となりました。これは、有形固定資産や無形固定資産の取得、子会社株式の取得などによるものです。 財務活動によるキャッシュフローは2億33百万円の支出となりました。これは、自己株式の取得による支出が大きかった一方で、自己株式の処分による収入もあったためです。 フリーキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローから投資活動によるキャッシュフローを差し引いたもので、1,215百万円となり、健全なキャッシュ創出力があることを示しています。期末の現金及び現金同等物は45億49百万円と、前期末から大幅に増加しており、財務的な余裕が見られます。

6. 今後の展望

株式会社網屋は、企業規模や業種を問わず増加するサイバー攻撃の脅威に対し、戦略的な対応が求められると認識しています。そのため、研究開発への積極的な投資と、製品・サービスの拡充を通じて、総合セキュリティプロバイダとしての地位を強化していく方針です。 データセキュリティ事業においては、「ALog」のサブスクリプション販売を促進し、ARR(年間経常収益)の更なる向上を目指します。また、緊急インシデント対応、コンサルティング、監査サービス、脆弱性診断サービスなどを通じて、企業のサイバーセキュリティ管理レベルの向上を支援します。 ネットワークセキュリティ事業では、「VeronaSASE」サービスの販売に注力し、働き方の多様化に対応した「ゼロトラスト」セキュリティの需要を取り込みます。 さらに、セキュリティ人材派遣事業やサイバーセキュリティ関連事業におけるM&Aや業務提携、資本業務提携を積極的に行い、事業領域の拡大と収益構造の拡充を図る計画です。 2026年12月期の連結業績予想としては、売上高70億2百万円(前期比18.0%増)、営業利益12億円(同14.1%増)、経常利益11億88百万円(同13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億50百万円(同13.2%増)を見込んでおり、引き続き堅調な成長が期待されます。

7. その他の重要事項

  • セグメント別業績:
    • データセキュリティ事業: 売上高 24億80百万円(前期比29.5%増)、セグメント利益 10億23百万円(前期比44.5%増)
    • ネットワークセキュリティ事業: 売上高 34億55百万円(前期比21.2%増)、セグメント利益 10億7百万円(前期比51.1%増)
  • 配当方針: 2025年12月期は1株当たり15.73円の配当を実施しました。2026年12月期の配当予想は未定ですが、株主還元を重視する姿勢が見られます。
  • 株主還元施策: 株式分割(1株→2株)を実施しており、流動性の向上と投資単位の引き下げにより、株主にとって投資しやすい環境整備を図っています。
  • M&Aや大型投資: 今後の事業拡大に向け、セキュリティ人材派遣事業やサイバーセキュリティ関連事業におけるM&Aや業務提携を積極的に行う方針です。
  • 人員・組織変更: 連結範囲の変更として、株式会社ASネットワークセキュリティを新規連結しています。

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