2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
東京汽船株式会社 (9193)
決算評価: 悪い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
東京汽船株式会社の2026年3月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は増加したものの、利益面では大幅な減少となりました。主力の曳船事業における料率改定や、海事関連事業における洋上風力発電関連業務の拡大により、売上高は前年同期比9.1%増の99億71百万円を達成しました。しかし、旅客船事業における事業移管による減収や、環境対策引当金の繰入といった特別損失の計上が、親会社株主に帰属する四半期純利益を前年同期比76.9%減の5億3百万円へと押し下げました。通期業績予想は変更されていませんが、当期の利益状況は「悪い」と評価せざるを得ません。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 9,971 | +9.1% |
| 営業利益 | △24 | - |
| 経常利益 | 212 | +275.6% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 503 | △76.9% |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 50.56円 | - |
| 配当金(年間予想) | 50.00円 | - |
業績結果に対するコメント: 売上高は、曳船事業における港湾曳船作業料率およびエスコート作業料率の値上げ、自動車専用船の入出港数増加、海事関連事業における洋上風力発電交通船(CTV)の稼働増加により、前年同期比9.1%増となりました。 営業利益は、売上原価の増加(7.7%増)や販売費及び一般管理費の増加(5.3%増)により、前年同期の営業損失178百万円から改善したものの、24百万円の営業損失となりました。 経常利益は、受取配当金や持分法による投資利益の増加により、前年同期比275.6%増の212百万円となりました。 親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益として固定資産(船舶)売却益401百万円が発生したものの、旅客船事業における環境対策引当金繰入額267百万円を特別損失として計上したため、前年同期比76.9%減の503百万円となりました。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|---------------|------------| | 流動資産 | 8,677 | △20.6% | | 現金及び預金 | 5,644 | △28.5% | | 受取手形及び売掛金 | 2,315 | +9.1% | | 棚卸資産 | 28 | 記載なし | | その他 | 519 | △30.9% | | 固定資産 | 22,413 | +10.2% | | 有形固定資産 | 12,844 | △2.8% | | 無形固定資産 | 68 | +25.9% | | 投資その他の資産 | 9,500 | +34.6% | | 資産合計 | 31,090 | △0.5% |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|---------------|------------| | 流動負債 | 3,491 | +4.1% | | 支払手形及び買掛金 | 874 | △7.9% | | 短期借入金 | 1,497 | +1.1% | | その他 | 950 | +80.0% | | 固定負債 | 3,277 | +5.3% | | 長期借入金 | 534 | △13.1% | | その他 | 2,742 | +13.1% | | 負債合計 | 6,769 | +4.7% |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|---------------|------------| | 株主資本 | 21,813 | △2.5% | | 資本金 | 500 | 0.0% | | 利益剰余金 | 21,353 | △2.5% | | その他の包括利益累計額 | 1,424 | +3.8% | | 純資産合計 | 24,321 | △1.9% | | 負債純資産合計 | 31,090 | △0.5% |
貸借対照表に対するコメント: 自己資本比率は74.7%と高い水準を維持しており、財務の安全性は良好です。流動資産は減少しましたが、現金及び預金が大幅に減少した一方で、売掛金が増加しており、事業活動の活発化を示唆しています。固定資産では、船舶の減価償却が進み減少したものの、投資その他の資産が増加しており、特に持分法適用会社の株式追加取得や投資有価証券の増加が目立ちます。負債合計は増加しており、特にその他流動負債と固定負債の増加が顕著です。これは、環境対策引当金の計上などが影響していると考えられます。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | 売上高比率 (%) |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 9,971 | +9.1% | 100.0% |
| 売上原価 | 8,432 | +7.7% | 84.6% |
| 売上総利益 | 1,538 | +25.5% | 15.4% |
| 販売費及び一般管理費 | 1,563 | +5.3% | 15.7% |
| 営業利益 | △24 | - | △0.2% |
| 営業外収益 | 290 | +4.7% | 2.9% |
| 営業外費用 | 52 | +23.9% | 0.5% |
| 経常利益 | 212 | +275.6% | 2.1% |
| 特別利益 | 413 | △84.8% | 4.1% |
| 特別損失 | 313 | +106.4% | 3.1% |
| 税引前当期純利益 | 312 | △88.2% | 3.1% |
| 法人税等 | △246 | - | △2.5% |
| 当期純利益 | 559 | △74.7% | 5.6% |
損益計算書に対するコメント: 売上総利益率は15.4%と、前年同期の13.0%から改善しました。これは、売上高の増加率が売上原価の増加率を上回ったためです。しかし、販売費及び一般管理費も増加しており、営業利益は微減ながらも損失となりました。 営業外収益では、受取配当金や持分法による投資利益が増加し、経常利益は大幅に増加しました。 特別利益では、固定資産売却益が前年同期比で大幅に減少した一方、特別損失では環境対策引当金繰入額の計上などにより大幅に増加しました。 これらの影響により、当期純利益は大幅な減少となりました。売上高営業利益率はマイナスであり、収益性には課題が見られます。
5. キャッシュフロー(記載があれば)
- 営業活動によるキャッシュフロー: 記載なし
- 投資活動によるキャッシュフロー: 記載なし
- 財務活動によるキャッシュフロー: 記載なし
- フリーキャッシュフロー: 記載なし
6. 今後の展望
会社は、2026年3月期の通期連結業績予想として、売上高130億93百万円(前期比8.7%増)、営業利益13百万円、経常利益275百万円、親会社株主に帰属する当期純利益55億44百万円(前期比171.2%増)を据え置いています。これは、第4四半期において、連結子会社と非連結子会社の吸収合併に伴う土地・建物の売却により、特別利益約75億円を計上する見込みを織り込んだものです。 しかし、曳船事業においては、通商政策の影響や日産自動車追浜工場閉鎖による自動車専用船の入出港数減少が懸念されています。旅客船事業では、賃金上昇や個人消費の弱含みが予想されています。 カーフェリー部門では、老朽化船舶の代替として新造船舶を裸用船し、事業再生を図る計画です。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績:
- 曳船事業:売上高70億74百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益1億13百万円(前年同期は34百万円の営業損失)。
- 海事関連事業:売上高16億8百万円(前年同期比119.5%増)、営業損失1億25百万円(前年同期は1億82百万円の営業損失)。
- 旅客船事業:売上高12億87百万円(前年同期比32.6%減)、営業損失41百万円(前年同期は30百万円の営業利益)。
- 配当方針: 2025年3月期は年間50円、2026年3月期も年間50円(予想)の配当を予定しています。
- 株主還元施策: 配当金の実施。
- M&Aや大型投資: 2025年11月30日に連結子会社と非連結子会社を吸収合併。2026年1月27日に一般事業法人へ土地・建物を売却。
- 人員・組織変更: 報告セグメントの区分を「曳船事業」、「海事関連事業」、「旅客船事業」に変更。