2025年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社T.S.I (7362)
決算評価: 悪い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
株式会社T.S.Iの2025年12月期連結決算は、売上高は微増を達成したものの、利益面では大幅な減少となりました。これは、介護事業における新規拠点開設に伴う先行投資や人件費、経費負担の増加が響いたためです。特に営業利益は7割以上の大幅な減少となり、厳しい結果となりました。一方で、人材確保への積極的な取り組みや訪問看護事業の本格化、業務効率化のためのシステム導入など、中長期的な成長に向けた施策も進められています。2026年12月期は増収増益を見込んでいますが、当期の業績は「悪い」と評価せざるを得ません。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 4,886 | +3.8% |
| 営業利益 | 40 | △73.0% |
| 経常利益 | 138 | △27.5% |
| 当期純利益 | 81 | △34.6% |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | 53.98円 | △34.9% (82.86円から) |
| 配当金 | 0.00円 | - |
業績結果に対するコメント: 当期は、売上高が前期比3.8%増と微増を達成しましたが、利益面では大幅な減少となりました。営業利益は同73.0%減、経常利益は同27.5%減、当期純利益は同34.6%減となりました。 増減の主な要因としては、介護事業における新規拠点(「アンジェス 八王子」「アンジェス 高尾」「アンジェス 宇都宮御幸本町」)の開設に伴う人件費や経費負担の増加が挙げられます。これにより、売上高は増加したものの、コスト増が利益を圧迫しました。 主要な収益源である介護事業では、新規拠点開設による増収効果はあったものの、利益は減少しました。不動産事業は、請負工事による売上はあったものの、建築原価や人件費の高騰によりセグメント損失となりました。 特筆すべきは、営業利益の大幅な減少です。これは、新規事業への投資や人材確保のためのコスト増加が、現時点での収益を上回ったことを示唆しています。 1株当たり当期純利益も同様に大幅な減少となりました。配当については、当期も実施されませんでした。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 流動資産 | 1,944 | +1.83億 | | 現金及び預金 | 1,186 | +0.54億 | | 受取手形及び売掛金 | 509 | +0.98億 | | 棚卸資産 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 240 | 記載なし | | 固定資産 | 3,863 | +8.00億 | | 有形固定資産 | 3,756 | +7.76億 | | 無形固定資産 | 74 | +0.13億 | | 投資その他の資産 | 33 | +0.11億 | | 資産合計 | 5,807 | +9.83億 |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 流動負債 | 1,392 | △4.68億 | | 支払手形及び買掛金 | 65 | +0.05億 | | 短期借入金 | 451 | △6.62億 | | その他 | 876 | 記載なし | | 固定負債 | 3,001 | +13.66億 | | 長期借入金 | 2,957 | +13.60億 | | その他 | 44 | 記載なし | | 負債合計 | 4,392 | +8.97億 |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 株主資本 | 1,415 | +0.86億 | | 資本金 | 378 | - | | 利益剰余金 | 771 | +0.80億 | | その他の包括利益累計額 | 記載なし | 記載なし | | 純資産合計 | 1,415 | +0.86億 | | 負債純資産合計 | 5,807 | +9.83億 |
貸借対照表に対するコメント: 当期末の資産合計は58億7百万円となり、前期末比で9億83百万円増加しました。これは主に、新規拠点開設に伴う建物及び構築物の増加(有形固定資産の増加)によるものです。流動資産も現金及び預金、売掛金及び契約資産の増加により微増しました。 負債合計は43億92百万円となり、前期末比で8億97百万円増加しました。特に固定負債の長期借入金が13億60百万円増加しており、これは設備投資のための資金調達によるものと考えられます。一方で、流動負債は短期借入金の減少により減少しました。 純資産合計は14億14百万円となり、前期末比で86百万円増加しました。これは主に、当期純利益による利益剰余金の増加によるものです。 自己資本比率は24.4%となり、前期の27.5%から低下しました。これは、負債の増加が自己資本の増加を上回ったためです。安全性指標としては、まだ改善の余地があります。 流動比率(流動資産 ÷ 流動負債)は約1.4倍(19.44億 ÷ 13.92億)であり、短期的な支払い能力は一定程度確保されています。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | 売上高比率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 4,886 | +3.8% | 100.0% |
| 売上原価 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 売上総利益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 販売費及び一般管理費 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 営業利益 | 40 | △73.0% | 0.8% |
| 営業外収益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 営業外費用 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 経常利益 | 138 | △27.5% | 2.8% |
| 特別利益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 特別損失 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 税引前当期純利益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 法人税等 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 当期純利益 | 81 | △34.6% | 1.7% |
損益計算書に対するコメント: 当期の損益計算書では、売上高は前期比3.8%増の48億86百万円となりました。しかし、営業利益は同73.0%減の40百万円、経常利益は同27.5%減の1億38百万円、当期純利益は同34.6%減の81百万円と、利益は大幅に減少しました。 売上高営業利益率は0.8%と、前期の3.2%から大きく低下しました。これは、売上高の増加を上回るコスト増加があったことを示しています。 売上高経常利益率は2.8%と、前期の4.3%から低下しました。 売上高当期純利益率は1.7%と、前期の2.6%から低下しました。 コスト構造としては、新規拠点開設に伴う人件費や経費負担の増加が、販売費及び一般管理費の増加に大きく影響したと考えられます。 前期からの主な変動要因は、介護事業における新規拠点開設に伴う先行投資と、それに伴うコスト増加です。
5. キャッシュフロー
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 287 | △17 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,007 | △94 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 771 | +226 |
| 現金及び現金同等物 期末残高 | 1,168 | +50 |
キャッシュフローに対するコメント: 営業活動によるキャッシュ・フローは2億87百万円となり、前期比で微減しました。税金等調整前当期純利益の減少や売上債権・契約資産の増加が主な要因ですが、減価償却費の増加がプラスに寄与しました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が10億7百万円と大幅に増加しました。これは、新規拠点開設のための設備投資が活発に行われたことを示しています。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が15億43百万円あったことなどから、7億71百万円のプラスとなりました。 期末の現金及び現金同等物は11億68百万円となり、前期末比で50百万円増加しました。
6. 今後の展望
2026年12月期は、「第2の創業期」と位置づけ、介護事業、不動産事業ともに事業展開を推し進める計画です。 連結業績予想では、売上高59億51百万円(前期比21.8%増)、営業利益1億62百万円(前期比300.6%増)、経常利益2億5百万円(前期比48.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億23百万円(前期比50.3%増)を見込んでいます。 介護事業単体では、増収増益、過去最高益を計画しており、新規開設拠点の収益貢献、特定技能外国人の戦力化、自社システム「CareMaster」の全社展開による効率化が寄与すると見込んでいます。 不動産事業も、外部請負案件により売上・営業利益ともに大幅プラスを計画しています。 一方で、サービス付き高齢者向け住宅の補助金収入の減少により、経常利益は2025年度よりも減益となる予想です。 リスク要因としては、介護報酬改定の影響、人材不足の継続、物価高によるコスト増加などが挙げられます。成長機会としては、高齢者人口の増加に伴う介護サービス需要の拡大、特定技能外国人材の活用などが考えられます。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績:
- 介護事業: 売上高48億23百万円(前期比16.0%増)、セグメント利益1億7百万円(前期比21.3%減)。新規拠点開設による増収効果はあったものの、コスト増により利益は減少しました。
- 不動産事業: 売上高62百万円(前期比88.5%減)、セグメント損失37百万円(前期は39百万円のセグメント利益)。請負工事による売上はあったものの、建築原価・人件費の高騰により損失となりました。
- 配当方針: 2024年12月期、2025年12月期ともに配当は実施されていません。2026年12月期も予想配当は0円です。
- 株主還元施策: 現時点では積極的な株主還元策は実施されていません。
- M&Aや大型投資: 決算短信からは、M&Aに関する情報は確認できませんでした。新規拠点開設のための設備投資は積極的に行われています。
- 人員・組織変更: 2025年4月より解禁された特定技能外国人材の訪問介護事業所への受け入れを進め、18名を採用しました。また、新卒採用の幅を広げ高卒採用を開始しました。