2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社エス・サイエンス (5721)
決算評価: 悪い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
株式会社エス・サイエンスの2026年3月期第3四半期(累計)決算は、売上高の減少と大幅な損失の計上により、厳しい業績となりました。ニッケル事業におけるLME価格の下落が売上高の減少に直結し、さらに暗号資産事業における評価損益の営業外損益への計上方針変更や、社債関連費用が利益を大きく圧迫しました。財政状態においては、自己保有暗号資産の増加により総資産が大幅に増加した一方、1年内償還社債の増加により負債も増加しています。株主資本は増加しましたが、継続的な営業損失は今後の事業継続性において重要な課題となります。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 453 | △5.6 |
| 営業利益 | △369 | ― |
| 経常利益 | △1,747 | ― |
| 当期純利益 | △1,751 | ― |
| 1株当たり当期純利益(EPS) | △11.47円 | ― |
| 配当金 | 記載なし | ― |
業績結果に対するコメント: 当第3四半期累計期間の業績は、売上高が前期比5.6%減の4億53百万円となりました。これは主にニッケル事業において、LMEのニッケル価格下落に伴う販売価格の低下が原因です。 利益面では、売上総利益が前期の60百万円から50百万円へと減少しました。販売費及び一般管理費が前期の2億87百万円から4億19百万円へと大幅に増加したこともあり、営業損失は前期の2億26百万円から3億69百万円へと拡大しました。 営業外損益においては、前期は営業外収益が1百万円、営業外費用が4百万円でしたが、当期は営業外収益が3百万円に留まる一方、営業外費用が13億78百万円と大幅に増加しました。これは、暗号資産評価損(9億71百万円)、社債利息(2億43百万円)、社債償還損(2億53百万円)、新株予約権発行費(1億91百万円)などが主な要因です。 これらの結果、経常損失は前期の2億30百万円から17億47百万円へと大幅に拡大しました。 特別利益として前期に子会社株式売却益が2億6百万円計上されていましたが、当期は計上されませんでした。特別損失は前期に事業所閉鎖損失が85万円計上されましたが、当期は減損損失として89万円計上されました。 最終的な当期純損失は、前期の2億91百万円から17億51百万円へと大幅に拡大しました。1株当たり当期純利益は△11.47円となりました。 セグメント別では、ニッケル事業の売上高は4億46百万円(前期比6.0%減)、不動産事業は6百万円(前期比9.2%増)でした。教育事業、スマートDXソリューション事業は赤字を継続しています。新たに開始したクリプトアセット事業では、暗号資産評価益を売上高に計上しましたが、今後は営業外損益で計上する方針に変更されました。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 流動資産 | 2,209 | △703 | | 現金及び預金 | 1,097 | △664 | | 受取手形及び売掛金 | 110 | △12 | | 棚卸資産 | 89 | △120 | | その他 | 913 | +878 | | 固定資産 | 4,175 | +4,081 | | 有形固定資産 | 記載なし | 記載なし | | 無形固定資産 | 記載なし | 記載なし | | 投資その他の資産 | 4,175 | +4,081 | | 暗号資産 | 4,092 | +4,092 | | 資産合計 | 6,385 | +3,378 |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 流動負債 | 873 | +840 | | 支払手形及び買掛金 | 8 | △0 | | 短期借入金 | 記載なし | 記載なし | | 1年内償還予定の社債 | 740 | +740 | | その他 | 125 | +100 | | 固定負債 | 31 | △70 | | 長期借入金 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 31 | △70 | | 負債合計 | 904 | +770 |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | |------|---------------|--------| | 株主資本 | 5,457 | +2,586 | | 資本金 | 2,269 | +2,169 | | 利益剰余金 | △1,578 | △1,751 | | その他の包括利益累計額 | 783 | +177 | | 純資産合計 | 5,480 | +2,609 | | 負債純資産合計 | 6,385 | +3,378 |
貸借対照表に対するコメント: 当第3四半期会計期間末の総資産は63億85百万円となり、前事業年度末の30億6百万円から33億78百万円増加しました。この増加の主な要因は、投資その他の資産における「暗号資産」が40億92百万円増加したことです。これにより、固定資産が大幅に増加し、総資産を押し上げました。 一方、流動資産は22億9百万円となり、前事業年度末から7億3百万円減少しました。これは主に現金及び預金の減少によるものです。 負債合計は9億49百万円となり、前事業年度末から7億70百万円増加しました。特に流動負債が8億40百万円増加し、その主な要因は「1年内償還予定の社債」が7億40百万円増加したことです。 純資産合計は54億80百万円となり、前事業年度末から26億9百万円増加しました。これは主に資本金及び資本準備金の増加によるものです。資本金は21億69百万円増加し、資本準備金も21億69百万円増加しました。利益剰余金は△15億78百万円となり、前期の1億72百万円から大幅に減少しました。 自己資本比率は85.5%となり、前期の95.5%から低下しましたが、依然として高い水準を維持しています。流動比率や当座比率などの安全性指標は、詳細なデータがないため算出できませんが、流動資産の減少と流動負債の増加は、短期的な支払い能力に影響を与える可能性があります。 資産構成においては、暗号資産が総資産の約64%を占めるなど、極めて偏った構成となっています。負債構成では、1年内償還社債の増加が短期的な資金繰りに影響を与える可能性があります。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 | 売上高比率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 453 | △5.6% | 100.0% |
| 売上原価 | 402 | 記載なし | 88.9% |
| 売上総利益 | 50 | △16.2% | 11.1% |
| 販売費及び一般管理費 | 419 | +46.1% | 92.5% |
| 営業利益 | △369 | ― | △81.4% |
| 営業外収益 | 0.3 | △99.8% | 0.1% |
| 営業外費用 | 1,378 | ― | 304.0% |
| 経常利益 | △1,747 | ― | △385.4% |
| 特別利益 | 0 | △100.0% | 0.0% |
| 特別損失 | 0.8 | +0.0% | 0.2% |
| 税引前当期純利益 | △1,748 | ― | △385.7% |
| 法人税等 | 3.3 | △15.9% | 0.7% |
| 当期純利益 | △1,751 | ― | △386.4% |
損益計算書に対するコメント: 当第3四半期累計期間の売上高は4億53百万円で、前期比5.6%減少しました。売上原価は4億2百万円で、売上高比率が88.9%と高い水準にあります。これにより、売上総利益は50百万円となり、前期比16.2%減少しました。 販売費及び一般管理費は4億19百万円と、前期比46.1%増加しました。この増加が営業利益の赤字拡大に大きく寄与しています。 結果として、営業利益は△3億69百万円の赤字となりました。 営業外費用が13億78百万円と大幅に増加したことが、経常利益の赤字拡大の主因です。特に、暗号資産評価損9億71百万円、社債利息2億43百万円、社債償還損2億53百万円、新株予約権発行費1億91百万円などが計上されました。 これらの影響により、経常利益は△17億47百万円と、大幅な赤字となりました。 特別利益は前期の2億6百万円から計上されず、特別損失は前期の85万円から89万円となりました。 税引前当期純利益は△17億48百万円、当期純利益は△17億51百万円となりました。 売上高営業利益率は△81.4%、売上高経常利益率は△385.4%と、極めて低い水準です。ROE(自己資本利益率)は、利益が大幅な赤字のため算出できません。 コスト構造としては、売上原価率が高く、さらに販売費及び一般管理費の増加が利益を圧迫しています。また、営業外費用における暗号資産関連費用や社債関連費用が、当期の業績に大きな影響を与えています。
5. キャッシュフロー(記載があれば)
当第3四半期累計期間に係るキャッシュ・フロー計算書は作成されておりません。
6. 今後の展望
- 業績予想: 2026年3月期の通期業績予想は、売上高9億98百万円、営業利益△3億70百万円、経常利益△17億9百万円、当期純利益△14億48百万円(1株当たり△9.48円)と発表されており、大幅な赤字が見込まれています。
- 中期経営計画や戦略: 詳細な中期経営計画や戦略に関する情報は、提供された決算短信からは読み取れません。
- リスク要因:
- 継続的な営業損失の発生。
- ニッケル価格の変動リスク。
- 暗号資産市場の価格変動リスク。
- 社債関連費用の負担。
- 資金繰りの不確実性(ただし、資金確保策の進捗により緩和されているとの記載あり)。
- 成長機会: 新規事業であるクリプトアセット事業の本格的な運用による収益化が期待されますが、現時点では本格的な運用には至っていません。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績: ニッケル事業、不動産事業、教育事業、スマートDXソリューション事業、クリプトアセット事業を展開しています。ニッケル事業の売上減少が全体に影響を与えています。
- 配当方針: 2025年3月期、2026年3月期ともに配当は実施されていません。2026年3月期の配当予想も0円です。
- 株主還元施策: 提供された情報からは、株主還元施策に関する具体的な記載はありません。
- M&Aや大型投資: 提供された情報からは、M&Aや大型投資に関する具体的な記載はありません。
- 人員・組織変更: 提供された情報からは、人員・組織変更に関する具体的な記載はありません。
- 継続企業の前提に関する重要事象等: 前事業年度からの営業損失が継続しており、当第3四半期累計期間においても営業損失を計上していることから、継続企業の前提に関する重要事象等が存在すると記載されています。しかし、資金調達の実行などにより、資金繰りの不確実性は一定程度緩和されているため、継続企業の前提に関する注記の必要はないと判断されています。