適時開示情報 要約速報

更新: 2026-04-03 09:15:42
決算 2026-02-12T15:30

2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

株式会社城南進学研究社 (4720)

決算評価: 良い

主要業績指標

AI財務分析レポート

1. 総評

株式会社城南進学研究社は、2026年3月期第3四半期連結累計期間(2025年4月1日~2025年12月31日)において、売上高は微増ながらも、利益面では前期の損失から大幅な黒字転換を達成しました。これは、教育業界の変化に対応し、新中期経営計画に基づいた事業戦略を実行した結果と考えられます。特に、教育事業における映像授業部門やFC個別指導部門の好調が業績を牽引しました。財政状態も、自己資本比率が改善傾向にあり、安定性を増しています。

2. 業績結果

科目 金額(百万円) 前期比(%)
売上高(営業収益) 4,353 +0.7%
営業利益 172 -
経常利益 171 -
親会社株主に帰属する四半期純利益 164 -
1株当たり当期純利益(EPS) 20.51 -
配当金 記載なし -

業績結果に対するコメント: 当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高が前期比0.7%増と微増にとどまりましたが、利益面では劇的な改善が見られました。前期は営業損失20百万円、経常損失17百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失139百万円を計上していましたが、当期はそれぞれ営業利益172百万円、経常利益171百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益164百万円と、大幅な黒字転換を果たしました。

この改善の主な要因として、以下の点が挙げられます。 * 教育事業の好調: 映像授業部門(河合塾マナビス)では生徒数の増加と途中退学者の抑制が進み、売上高が前年同期を上回りました。また、児童教育部門はほぼ前年並み、デジタル教材・ソリューション部門も新規契約数の増加によりほぼ前年並みの売上高を維持しました。個別指導部門(城南コベッツ)は、FC教室の生徒数増加により売上高が前年同期を上回りました。 * コスト構造の改善: 販売費及び一般管理費が前期の1,019,275百万円から935,918百万円へと大幅に削減されたことが、利益改善に大きく寄与しています。 * 特別利益の計上: 投資有価証券売却益77,761百万円、補助金収入2,353百万円といった特別利益が計上されたことも、当期純利益の押し上げ要因となりました。

スポーツ事業は、スイミングクラブの在籍者数減少などにより売上高が前期比3.8%減となりましたが、教育事業の好調さが全体をカバーしました。

3. 貸借対照表(バランスシート)

【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |--------------------------|----------------|--------------| | 流動資産 | 2,063 | △5.8% | | 現金及び預金 | 1,543 | △3.4% | | 受取手形及び売掛金 | 250 | △12.5% | | 棚卸資産 | 23 | △17.5% | | その他 | 27 | △40.3% | | 固定資産 | 2,803 | △7.7% | | 有形固定資産 | 2,213 | △3.7% | | 無形固定資産 | 28 | △21.3% | | 投資その他の資産 | 561 | △20.2% | | 資産合計 | 4,866 | △6.9% |

【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |--------------------------|----------------|--------------| | 流動負債 | 1,552 | △15.7% | | 支払手形及び買掛金 | 17 | △32.8% | | 短期借入金 | 243 | △26.6% | | その他 | 240 | +9.9% | | 固定負債 | 1,760 | △9.7% | | 長期借入金 | 598 | △19.2% | | その他 | 405 | △1.0% | | 負債合計 | 3,313 | △12.6% |

【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |--------------------------|----------------|--------------| | 株主資本 | 1,894 | +9.5% | | 資本金 | 655 | 0.0% | | 利益剰余金 | 899 | +22.4% | | その他の包括利益累計額 | △343 | △16.7% | | 純資産合計 | 1,553 | +8.0% | | 負債純資産合計 | 4,866 | △6.9% |

貸借対照表に対するコメント: 当第3四半期連結会計期間末の総資産は4,866百万円となり、前連結会計年度末から363百万円減少しました。これは主に、投資有価証券の減少(105百万円減)、現金及び預金の減少(53百万円減)、建物及び構築物の減少(60百万円減)などが要因です。 負債合計は3,313百万円となり、前連結会計年度末から478百万円減少しました。特に、長期借入金(1年内返済予定含む)が228百万円減少したことが大きく影響しています。 純資産合計は1,553百万円となり、前連結会計年度末から115百万円増加しました。これは主に利益剰余金が164百万円増加したことによるものです。

安全性指標: * 自己資本比率: 31.9%(前期: 27.5%)と、前期から4.4ポイント改善しました。これは負債の減少と純資産の増加によるもので、財務の健全性が向上していることを示しています。 * 流動比率: (流動資産 ÷ 流動負債) = 2,063 ÷ 1,552 ≒ 1.33倍。1倍を超えており、短期的な支払い能力は一定程度確保されています。 * 当座比率: (流動資産 - 棚卸資産) ÷ 流動負債 = (2,063 - 23) ÷ 1,552 ≒ 1.31倍。こちらも1倍を超えており、安全性が高いと言えます。

資産構成としては、有形固定資産が依然として大きな割合を占めていますが、投資その他の資産が減少しています。負債構成では、長期借入金の減少が目立ちます。全体として、負債を削減し、自己資本を積み増すことで、財務基盤の強化が進んでいると評価できます。

4. 損益計算書

科目 金額(百万円) 前期比(%) 売上高比率(%)
売上高(営業収益) 4,353 +0.7% 100.0%
売上原価 3,245 △2.3% 74.5%
売上総利益 1,108 +11.0% 25.5%
販売費及び一般管理費 935 △8.2% 21.5%
営業利益 172 - 4.0%
営業外収益 11 △0.3% 0.3%
営業外費用 12 +3.0% 0.3%
経常利益 171 - 3.9%
特別利益 80 - 1.8%
特別損失 24 △60.2% 0.6%
税引前当期純利益 227 - 5.2%
法人税等 62 +2.3% 1.4%
当期純利益 164 - 3.8%

損益計算書に対するコメント: 当第3四半期連結累計期間の損益計算書は、売上高が微増にとどまったものの、利益段階で大幅な改善が見られました。 * 売上総利益: 売上原価が売上高以上に減少したため、売上総利益は前期比11.0%増と大きく伸びました。売上高比率も25.5%と、前期の23.1%から改善しています。これは、教育事業における効率的な運営や、一部事業の収益性改善が寄与していると考えられます。 * 営業利益: 販売費及び一般管理費が前期比8.2%減と大幅に削減されたことにより、前期の営業損失から172百万円の営業利益へと黒字転換しました。売上高営業利益率は4.0%となりました。 * 経常利益: 営業外収益・費用はほぼ横ばいでしたが、営業利益の改善により、経常利益も171百万円と黒字転換しました。 * 当期純利益: 特別利益として投資有価証券売却益などが計上されたこともあり、税引前当期純利益は227百万円、当期純利益は164百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は164百万円(前期は△139百万円)となり、大幅な改善です。

収益性指標: * 売上高営業利益率: 4.0% * 売上高経常利益率: 3.9% * 売上高当期純利益率: 3.8% * ROE (自己資本利益率): (当期純利益 ÷ 自己資本平均額) を計算するには、期首・期末の自己資本額が必要ですが、当期純利益が大幅に増加したことから、ROEも大きく改善していると推測されます。

コスト構造としては、売上原価率が改善し、販売費及び一般管理費も効率化されていることが分かります。特に、前期の損失から利益を創出できる体制への転換が成功していると言えます。

5. キャッシュフロー(記載があれば)

当四半期決算短信には、キャッシュフロー計算書は作成されていません。ただし、注記として「当第3四半期連結累計期間に係る減価償却費(のれんを除く無形固定資産等に係る償却費を含む。)及びのれんの償却額は、次のとおりでありま す。」との記載があり、前第3四半期連結累計期間は128,847千円、当第3四半期連結累計期間は117,584千円であることが示されています。これは、営業活動によるキャッシュフローに影響を与える要素です。

6. 今後の展望

株式会社城南進学研究社は、2026年3月期の通期連結業績予想を、売上高5,901百万円(前期比4.9%増)、営業利益149百万円、経常利益141百万円、親会社株主に帰属する当期純利益93百万円としています。これは、第3四半期までの実績を踏まえた予想であり、現時点では修正はありません。

新中期経営計画では、「日本が抱える社会課題解決への挑戦」「保育園事業の成長」「学習塾事業の深化」を重点戦略として掲げています。教育のデジタル化や多様化する入試制度に対応しつつ、幅広い層への教育ソリューション提供を目指しています。

また、上場維持基準(流通株式時価総額)の適合に向けた取り組みとして、流通株式数の増加や配当政策の見直しなどの施策を進めています。2026年3月期の年間配当予想は7.00円となっています。

リスク要因としては、経済状況の不透明性、教育業界における競争激化、少子化の影響などが考えられます。一方で、教育の質向上へのニーズ、デジタル教育の進展、社会課題解決への貢献といった成長機会も存在します。

7. その他の重要事項

  • セグメント別業績: 教育事業は売上高4,077百万円(前期比1.0%増)、セグメント利益126,741百万円。スポーツ事業は売上高276百万円(前期比3.8%減)、セグメント利益45,366百万円。教育事業が業績を牽引しています。
  • 配当方針: 2026年3月期の年間配当予想は7.00円です。
  • 株主還元施策: 上場維持基準適合に向けた施策の一環として、配当政策の見直しを進めています。
  • M&Aや大型投資: 決算短信からは特筆すべき事項は見当たりません。
  • 人員・組織変更: 9月に新社長が就任し、新中期経営計画を策定・発表しています。