2025年12月期決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社enish (3667)
決算評価: 悪い主要業績指標
AI財務分析レポート
1. 総評
株式会社enishは、2025年12月期において、売上高の減少と損失の拡大という厳しい業績となりました。既存タイトルの安定運営と新規タイトル開発への投資を進めたものの、新作の初期売上が想定を下回ったことなどが響き、売上高は前期比34.5%減の21億70百万円となりました。営業損失は8億56百万円、経常損失は8億32百万円、当期純損失は11億51百万円と、いずれも損失幅が拡大しました。しかし、新株予約権の行使により資本が増強され、財務基盤の強化を図っています。今後の見通しとしては、既存タイトルの売上維持と効率化、新規タイトル年間1~2本のリリースを目指し、収益力強化と事業拡大を図る方針です。
2. 業績結果
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 2,170 | △34.5 |
| 営業利益 | △856 | - |
| 経常利益 | △832 | - |
| 当期純利益 | △1,151 | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | △44.19 | - |
| 配当金(円) | 0.00 | - |
業績結果に対するコメント: 当期は、売上高が前期比で大幅に減少しました。これは、既存タイトルの運営施策を工夫したものの、新規タイトルの初期売上が想定を下回ったこと、および「De:Lithe Last Memories」のブロックチェーンゲームからのモバイルゲームへの再構築などが影響したと考えられます。売上原価が売上高を大きく上回ったため、売上総利益はマイナスとなり、販売費及び一般管理費の削減努力にもかかわらず、営業損失、経常損失、当期純損失ともに前期から拡大しました。特に、貸倒損失244百万円、和解金52百万円といった特別損失の計上が当期純損失の拡大に寄与しています。一方で、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が増加し、財務基盤の強化が図られました。
3. 貸借対照表(バランスシート)
【資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|----------------|------------| | 流動資産 | 1,322 | △11.1 | | 現金及び預金 | 882 | +10.3 | | 受取手形及び売掛金 | 211 | △51.4 | | 棚卸資産 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 228 | △40.7 | | 固定資産 | 270 | △0.9 | | 有形固定資産 | 記載なし | 記載なし | | 無形固定資産 | 記載なし | 記載なし | | 投資その他の資産 | 270 | △0.9 | | 資産合計 | 1,593 | △9.5 |
【負債の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|----------------|------------| | 流動負債 | 824 | △4.9 | | 支払手形及び買掛金 | 41 | △61.5 | | 短期借入金 | 300 | 0.0 | | その他 | 482 | +1.1 | | 固定負債 | 2 | △17.9 | | 長期借入金 | 記載なし | 記載なし | | その他 | 2 | △17.9 | | 負債合計 | 827 | △5.1 |
【純資産の部】 | 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | |----------------------|----------------|------------| | 株主資本 | 762 | △13.9 | | 資本金 | 4,903 | +11.7 | | 利益剰余金 | △9,043 | +14.6 | | その他の包括利益累計額 | 記載なし | 記載なし | | 純資産合計 | 766 | △13.8 | | 負債純資産合計 | 1,593 | △9.5 |
貸借対照表に対するコメント: 当期末の資産合計は1,593百万円となり、前期末比で9.5%減少しました。これは主に、売掛金の減少(223百万円減)やその他流動資産の減少(124百万円減)によるものです。一方で、現金及び預金は73百万円増加し、暗号資産も111百万円増加しました。負債合計は827百万円となり、前期末比で5.1%減少しました。買掛金や契約負債の減少が主な要因です。純資産合計は766百万円となり、前期末比で13.8%減少しました。これは、当期純損失1,151百万円を計上したことが主因ですが、新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金が514百万円増加したことで、減少幅は抑制されました。自己資本比率は47.8%と、前期の50.3%から微減しましたが、依然として健全な水準を維持しています。流動比率や当座比率に関する詳細なデータはありませんが、現金及び預金の増加は短期的な支払い能力の維持に寄与すると考えられます。
4. 損益計算書
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) | 売上高比率 (%) |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 2,170 | △34.5 | 100.0% |
| 売上原価 | 2,493 | △23.9 | 114.9% |
| 売上総利益 | △323 | - | △14.9% |
| 販売費及び一般管理費 | 533 | △36.9 | 24.6% |
| 営業利益 | △856 | - | △39.5% |
| 営業外収益 | 66 | +594.5 | 3.0% |
| 営業外費用 | 42 | △25.1 | 1.9% |
| 経常利益 | △832 | - | △38.3% |
| 特別利益 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 特別損失 | 315 | +1852.3 | 14.5% |
| 税引前当期純利益 | △1,147 | △30.6 | △52.9% |
| 法人税等 | 4 | +5.3 | 0.2% |
| 当期純利益 | △1,151 | △30.5 | △53.0% |
損益計算書に対するコメント: 当期は、売上高が大幅に減少した一方で、売上原価の減少幅が売上高の減少幅を上回らなかったため、売上総利益は△323百万円と大幅な赤字となりました。これは、既存タイトルの運営施策の工夫やコスト削減努力にもかかわらず、新規タイトルの開発・運営コストなどが影響したと考えられます。販売費及び一般管理費は前期比で36.9%削減されましたが、売上総利益の赤字をカバーするには至らず、営業損失は△856百万円となりました。営業外収益では、暗号資産評価益や債務免除益が計上され、前期比で大幅に増加しましたが、支払利息等の営業外費用も発生し、経常損失は△832百万円となりました。特別損失では、貸倒損失244百万円、和解金52百万円などが計上され、当期純損失は△1,151百万円と、前期から拡大しました。売上高営業利益率は△39.5%と大幅なマイナスであり、収益性の改善が喫緊の課題です。
5. キャッシュフロー
| 科目 | 金額(百万円) | 前期比 (%) |
|---|---|---|
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △873 | △9.9 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △108 | △12.9 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,019 | △10.9 |
| 現金及び現金同等物 期末残高 | 800 | +5.0 |
| フリーキャッシュフロー(営業CF + 投資CF) | △981 | △6.2 |
キャッシュフローに対するコメント: 営業活動によるキャッシュ・フローは△873百万円となり、前期の△966百万円から使用額は減少しましたが、依然としてマイナスが続いています。これは、税引前当期純損失の計上や貸倒損失の発生などが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは△108百万円となり、暗号資産の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは1,019百万円のプラスとなり、新株予約権の行使による株式の発行収入が大きく貢献しました。これにより、期末の現金及び現金同等物残高は800百万円となり、前期末から37百万円増加しました。フリーキャッシュフローは△981百万円とマイナスが継続しており、事業活動から十分なキャッシュを生み出せていない状況が続いています。
6. 今後の展望
株式会社enishは、既存タイトルの売上高維持と効率的な運営体制の見直しによる収益力強化を図る方針です。また、売上収益の拡大を目指し、年間1~2タイトルの新規リリースを計画しています。新規開発に注力できる体制を構築・維持することで、開発の長期化や開発費の高騰といったリスクを低減し、高品質なタイトルの開発を進めるとしています。 現時点では、モバイルゲーム事業を取り巻く環境の変化が激しく、業績も短期的に大きく変動する可能性があることから、信頼性の高い業績予想数値の算出が困難であるため、業績予想の開示は見合わせています。 「雀エボライブ」はリリース初期の売上が想定を下回ったものの、継続的な機能改善やイベント施策により今後の収益寄与を目指します。「声優どうぶつ園 ボイスフル」は中国版TikTokでのリリースに向け開発を進めており、「ゆるキャン△ みんなでワチャワチャ!キャンピングクック!」はNintendo Switch及びSteam向けに今冬リリース予定です。さらに、人気TVアニメ『弱虫ペダル』シリーズの新作アプリ「弱虫ペダル レゾナンス・ペダイズム」の制作も決定しており、今後の情報公開を通じて認知度向上と安定したリリース体制の構築を目指します。 業務全体としては、不採算タイトルの事業譲渡や配信終了も視野に入れつつ、AI技術を活用した業務プロセスの効率化を推進し、外注加工費や広告宣伝費の削減、売上原価及び販売費・一般管理費の低減に取り組んでいます。
7. その他の重要事項
- セグメント別業績: 公表されている決算短信には、セグメント別の業績に関する詳細な記載はありません。
- 配当方針: 2024年12月期、2025年12月期ともに配当は実施されていません。2026年12月期の配当予想も未定です。
- 株主還元施策: 現在、積極的な株主還元施策に関する具体的な発表はありません。
- M&Aや大型投資: 公表されている情報からは、現時点でM&Aや大型投資に関する具体的な記載は見当たりません。
- 人員・組織変更: 決算短信には、人員や組織変更に関する具体的な記載はありませんが、新規タイトル開発への人材投入や、AI技術を活用した業務プロセスの効率化を推進している旨が記載されています。
- 訴訟の和解: 2025年11月11日付で、株式会社HashPaletteからの不当利得返還請求訴訟について和解が成立したことが開示されています。本件に関連して発生した和解金等は特別損失として計上されています。
- 継続企業の前提に関する重要事象等: 10期連続の営業損失及び11期連続のマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在することが記載されています。