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更新: 2026-02-13 17:00:00
決算 2026-02-13T17:00

2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

株式会社クエスト (2332)

決算評価: 普通

主要業績指標

AI財務分析レポート

1. 総評

株式会社クエストは、2026年3月期第3四半期連結累計期間において、売上高が堅調に増加したものの、積極的な投資や一時的なコストの発生により、利益面では前期を下回る結果となりました。売上高は20.3%増と大きく伸びましたが、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも微減しています。これは、将来の成長に向けた人的資本への投資や事業拡大のためのコストが先行したこと、およびM&Aに伴う一時的な費用が影響したためと考えられます。財政状態としては、自己資本比率が72.5%と健全性を維持しており、流動資産も潤沢です。通期業績予想は上方修正されておらず、現時点では堅調な推移を見込んでいるようです。

2. 業績結果

以下の数値は、2026年3月期第3四半期連結累計期間(2025年4月1日~2025年12月31日)のものです。

科目 金額(百万円) 前期比 (%)
売上高(営業収益) 13,239 +20.3
営業利益 759 △2.8
経常利益 810 △2.8
親会社株主に帰属する四半期純利益 549 △0.9
1株当たり当期純利益(円銭) 103.65 -
配当金(年間予想) - -

業績結果に対するコメント: 売上高の増加は、重点強化領域である半導体分野や安定成長領域の金融分野における新規案件受注の拡大、および連結子会社となった株式会社セプトの貢献によるものです。一方で、利益が減少した主な要因としては、従業員の処遇改善や教育を含む人的資本への投資の拡充、半導体事業拡大に向けた事業所の新設・拡張、創立60周年記念活動に伴う費用、株式会社セプトの子会社化に伴うマネジメント引継ぎや内部統制強化等に関連する一時的なコストの発生が挙げられます。これらのコストは一時的なものであり、通期業績予想に影響はないとされています。

3. 貸借対照表(バランスシート)

【資産の部】

科目 金額(百万円) 前期比 (%)
流動資産 6,744 △5.3
現金及び預金 2,027 △39.1
受取手形及び売掛金 4,347 +26.2
棚卸資産 記載なし 記載なし
その他 330 +133.0
固定資産 3,104 +15.1
有形固定資産 253 +24.1
無形固定資産 842 +43.9
投資その他の資産 2,007 +5.3
資産合計 9,848 +0.3

【負債の部】

科目 金額(百万円) 前期比 (%)
流動負債 2,112 △1.8
支払手形及び買掛金 691 +38.4
短期借入金 記載なし 記載なし
その他 909 +39.5
固定負債 595 +44.1
長期借入金 記載なし 記載なし
その他 316 +94.1
負債合計 2,708 +5.6

【純資産の部】

科目 金額(百万円) 前期比 (%)
株主資本 6,796 △1.5
資本金 491 -
利益剰余金 6,127 +3.7
その他の包括利益累計額 343 △2.3
純資産合計 7,140 △1.6
負債純資産合計 9,848 +0.3

貸借対照表に対するコメント: 自己資本比率は72.5%と非常に高く、財務健全性は良好です。流動資産は減少していますが、これは主に現金及び預金の減少によるもので、受取手形、売掛金及び契約資産の増加がそれを補っています。固定資産は増加しており、特に無形固定資産の増加が目立ちます。これは、株式会社セプトの買収に伴う「のれん」の増加が大きく影響しています。負債合計は増加しており、買掛金やその他の流動負債、固定負債の増加が要因です。純資産は微減していますが、これは自己株式の増加によるものです。利益剰余金は増加しており、堅実な利益蓄積が見られます。

4. 損益計算書

科目 金額(百万円) 前期比 (%) 売上高比率 (%)
売上高(営業収益) 13,239 +20.3 100.0%
売上原価 11,009 +22.7 83.2%
売上総利益 2,230 +10.0 16.8%
販売費及び一般管理費 1,471 +17.1 11.1%
営業利益 759 △2.8 5.7%
営業外収益 55 +2.2 0.4%
営業外費用 3 +515.0 0.0%
経常利益 810 △2.8 6.1%
特別利益 記載なし 記載なし 記載なし
特別損失 記載なし 記載なし 記載なし
税引前当期純利益 810 △2.8 6.1%
法人税等 261 △6.8 2.0%
当期純利益 549 △0.9 4.1%

損益計算書に対するコメント: 売上高が大きく伸びた一方で、売上原価の伸び率がそれを上回ったため、売上総利益率は前期の17.7%から16.8%に低下しました。販売費及び一般管理費も増加しており、特に人的資本への投資や事業拡大に伴うコストが増加したことが営業利益の減少に繋がっています。営業利益率は前期の7.1%から5.7%に低下しました。営業外収益はほぼ横ばいですが、営業外費用は増加しています。結果として、経常利益、当期純利益ともに前期を下回りました。収益性指標としては、売上高営業利益率が低下しており、コスト管理の重要性が増しています。

5. キャッシュフロー(記載があれば)

当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていません。ただし、以下の情報が記載されています。

  • 減価償却費(顧客関連資産及びのれんを除く無形固定資産に係る償却費を含む): 34,048千円
  • 顧客関連資産償却費: 31,573千円
  • のれんの償却額: 85,316千円

これらの情報から、営業活動によるキャッシュフローは、利益から減価償却費等を加算した上で、運転資本の変動等を考慮して算出されると考えられます。

6. 今後の展望

株式会社クエストは、2025年5月14日に公表した連結業績予想から修正を行っていません。2026年3月期の通期連結業績予想は、売上高16,860百万円(前期比12.9%増)、営業利益1,180百万円(同11.8%増)、経常利益1,240百万円(同11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益845百万円(同10.1%増)を見込んでいます。 中期経営計画「2024-2026年度・中期経営計画」では、「事業ポートフォリオの変革」「人と技術への未来投資」「事業体質と経営基盤の強化」を基本方針として掲げています。特に、ソリューションサービスの売上比率を2030年度までに30%にすることを目指し、エンジニアリングソリューション、サプライチェーンソリューション、データエンジニアリングソリューション、クラウド型マネージドサービスの4領域に注力しています。また、2025年4月には株式会社セプトを完全子会社化し、シナジー効果の創出に向けたPMI(経営統合プロセス)を推進しています。 リスク要因としては、経済状況の不透明性、金融・資本市場の変動、米国の関税政策や日中関係の緊張の高まりなどが挙げられています。成長機会としては、IT関連投資への意欲の高さ、生成AI、AIエージェント、フィジカルAI等の先進技術の実用化・高度化、サイバー攻撃被害の増加を背景としたセキュリティ対策強化へのニーズ拡大などが挙げられます。

7. その他の重要事項

  • セグメント情報: 第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを「情報サービス事業」の単一セグメントに変更しました。これは、組織再編に伴い、従来の「システム開発事業」と「インフラサービス事業」を一体的に捉えることが経営実態をより適切に反映すると判断したためです。
  • 配当方針: 2025年3月期は期末配当金58円(普通配当53円、記念配当5円)を実施しました。2026年3月期は年間配当金55円を予想しています。
  • 株主還元施策: 記載なし。
  • M&Aや大型投資: 2025年4月に株式会社セプトを完全子会社化しました。
  • 人員・組織変更: 2025年4月に顧客の産業を軸とした「インダストリー事業グループ」と、IT技術を軸とした「ソリューションサービス事業グループ」に大幅な組織再編を行いました。